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運動器疾患と鍼灸治療

Backpain.jpg美和鍼灸院では、北京堂式鍼灸を行なっています。北京堂式鍼灸は、腰痛、坐骨神経痛、ぎっくり腰、肩こり、五十肩、膝痛、むちうち、頚椎症、椎間板ヘルニアなどの運動器疾患の鍼灸治療を得意としています。

整形外科に通っても、なかなか良くならなかった症状が、北京堂式鍼灸で実にあっさりと治ってしまった。こんな話は日常茶飯事です。なぜでしょう? それは整形外科では、積極的に治療しない筋肉にターゲットを絞り、その筋肉に対しては徹底的に治療できる技術と自信があるからです。 

鍼灸治療といっても、世の中にはたくさんの考え方、流儀が存在します。そんな中で、筋肉に対してスペシャリティな治療ができる鍼灸は、北京堂式鍼灸を置いて他にはないと私は考えています。

病院ではまずレントゲンを撮ります。そしてレントゲンに写るのは? そう骨ですね。つまりレントゲンは、最初から骨の異常をみるのが目的なのです。筋肉は、はじめから撮像されていないので、診断の対象にもなっていません。更に高度な検査では、CTやMRIで断面画像をみます。この検査なら、骨、内臓、筋肉にいたるまで、すべて写りますが、筋肉にはあまり着目していません。ヘルニアの有無や脊柱管の狭窄、関節や骨の変形、あるいはガンなど、器質的な変化がないかを精査しているのです。

筋肉の問題は、乳酸などの疲労物質の蓄積や血液循環の不良による代謝障害です。筋肉は代謝障害が進むと柔軟性が失われ状態の悪い硬い筋肉になっていきます。いわゆるコリですね。しかしこのコリは、組織が変質するわけではないので、断面画像をみても結局のところ診断できません。それよりもコリならば、手で触ってみる方がずっと確かです。皮肉なことに、現代医学では、こうした検査機器が発達したあまり、医師が患者のカラダに触れて診察することが少なくなりました。いかがでしょう?皆さんの通院されている病院で、丁寧な触診をおこないますか?触診力というのは、毎日毎日カラダに触れ続けて磨かれていくものです。

結局、病院では画像診断に異常がなければ、電気治療(低周波・高周波)、牽引、湿布薬・痛み止め等の、日和見的な治療がくりかえされます。これらは、間違っても積極的な原因治療とはいえません。ましてや、湿布薬・痛み止めに含まれる消炎鎮痛剤には、交感神経の緊張や血流を悪くする副作用があります。決して習慣的に用いるべきものではありません。

まずは薬からの離脱が必要

湿布や痛み止めを習慣的に使用されている人は、まず薬からの離脱が必要です。

くりかえしますが、湿布(シップ)や痛み止めには消炎鎮痛剤が含まれています。これは急性の痛みには効果を発揮しますが、慢性の痛みには効果がないばかりか、かえって治癒を妨げます。湿布くらいと思われるかもしれませんが、飲み薬も湿布薬も薬効成分を胃腸から吸収するか、皮膚から吸収するかの違いで同じことです。
確かに、湿布薬や痛み止めを使用している時は楽ですが、それは一時しのぎです。「すぅ~っとして気持ちがいい」とか「じわ~として気持ちがいい」かもしれませんが、それをくりかえしている間は、決して治癒には向かいません。毎日毎日、湿布を貼り続け、皮膚にかぶれを起こしてるのに、まだ貼り続けているあなた、それはカラダにとってひとつも良くないのですぐにやめてください!

どうせならホットパックや使い捨てカイロを使ってください。まず害がありません。また慢性の代謝障害は、温めてどんどん血流をよくするのが正解です。湿布や消炎鎮痛剤に含まれるインドメタシン、イイブプロフェンには、血管を収縮させる作用があり、これは血流を悪くし代謝を低下させるのです。おまけに、自律神経の交感神経に緊張をもたらし、カラダの調整作用にも悪影響をもたらします。

さて画像診断に異常がなければ、いよいよ筋肉の出番です。これは、北京堂式鍼灸のもっとも得意とする分野です。
鍼をすることで、筋肉の緊張を和らげ血液循環をよくします。これにより、コリの局所で蓄積されていた乳酸などの疲労物質が排泄され、新陳代謝が向上します。また、自律神経面では、筋肉を緊張状態にする交感神経のはたらきを抑え、副交感神経のはたらきを活発にします。これにより、カラダはリラックスし疲労が解消され、免疫力もアップといいことづくめです。

鍼灸院、鍼灸師といっても採用している治療方法はいろいろです。

北京堂式鍼灸では、筋・神経の解剖生理学に基づき、安全で正確な刺針テクニックを研究し、施術しています。

痛みの治療では、症状発現部位から該当する神経を割り出し、痛みの原因となっているポイントにアプローチします。痛みの局所に囚わればかりいては、大本の病巣が見えてきません。どこで神経が障害され、痛みとなって発現しているのか? 先ずここでは東洋医学的な思考は排除し、筋肉、神経の現代解剖学的解析を徹底的に行い推理していきます。

器質的病変(ヘルニア、狭窄症、骨の変形等)の有無に拘わらず治療は可能です。もし、病院で画像診断を受けられた方は、その情報もお伝えください。
運動器疾患や神経痛の原因となる筋肉は、神経が脊髄より出入りしている深部筋(インナーマッスル)に問題が生じているケースがほとんどです。腰部や臀部では、体表より6センチ~10センチの深度になります。この深さに鍼を到達させるには3寸~4寸(9センチ~12センチ)の鍼を使用します。

このような長い鍼は、一般的な鍼治療では、ほとんど用いられません。だから、経験のない鍼灸師では、このような治療は行えません。(余談ながら、現在、私は、この長鍼のテクニックをたくさんの鍼灸師が行えるように勉強会を開いています。)

vb_screenshot (1).png腰のインナーマッスル、大腰筋北京堂鍼灸では、このような長鍼を安全に自在に操作し原因病巣にアプローチします。大腰筋刺針は、中でも代表的なテクニックです。
青色に着色してあるのが大腰筋です。右側はスケルトンで、腰部・仙骨部の神経叢が大腰筋の中を通過しているのがよく分かります。腰椎の前側部から起始し、骨盤の中を通過して、大腿骨小転子へ停止しているのが分かります。触診するには、鼠径部で少し触るか、腹筋を緩めておいて、お腹の脇から内蔵を避けて触る必要があります。要するにまともに触ることができないのが大腰筋なのです。この筋に唯一アプローチできるのが鍼です。腰から3寸鍼(9センチ)を使って、6センチ程度刺入すれば、この筋に到達します。ここに鍼ができる鍼灸師は、ほとんどいません。大腰筋刺鍼を行うには、大胆かつ繊細な手技が必要とされます。

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